確定拠出年金の「スイッチング」とは何か?手数料は掛かるのか?

僕は現在、企業型の確定拠出年金(401k)に加入しています。

その結果は毎月の資産報告でお伝えしている通りですが、投資(拠出)した金額に対して、20%以上の運用益が出ています。

ここまでは非常に順調です。順調過ぎると言っても良いくらいです。

ただし、確定拠出年金は原則60歳まで引き出すことが出来ません。

ということは、僕が60歳になるまでに、現在運用している商品(投資信託)の価値が暴落したら、今出ている運用益は水の泡になってしまいます。

地道に増やしていた利益が、バブルが弾けたタイミングで消えしまう。場合によっては、積立額に対してマイナスになってしまうこともあり得ます。

恐ろしいですね。

確定拠出年金では、通常の投資信託のように「利確」することは出来ないのでしょうか?

調べてみたところ、確定拠出年金では「スイッチング」という方法によって、実質的に利確することが出来るようです。

本記事では、「スイッチング」について僕が調べた内容をご紹介します。

確定拠出年金の「スイッチング」とは?

確定拠出年金におけるスイッチングとは、現在保有している商品を売却・現金化して、その資金で別の商品を購入する、という方法です。

言い換えると、保有している商品を別の商品に交換する(スイッチする)ということです。

スイッチングの際、保有している商品はそのときの評価額で売却されますので(※)、これがすなわち、利確ということになります。

※スイッチングの申込みをしてから約定日までタイムラグがありますので、その間に評価額が変動することは考慮しておかないといけません。

スイッチングをする際には、どの商品にスイッチするかもポイントになります。

絶対に利益を減らしたくない場合は、元本保証型の商品を購入しましょう。

確定拠出年金の「利確」といえば、利益の出た投資信託商品を元本保証型の商品にスイッチングする、というのが基本になると思います。

もちろん、より利回りの良さそうな商品に交換するという方法もスイッチングに当たります。

スイッチングに手数料はかかるのか?

確定拠出年金のスイッチングに手数料はかかるのでしょうか?

せっかくスイッチングで利確しようとしているのに、高い手数料を支払う必要があるとなると躊躇してしまいますよね。

結論から言うと、確定拠出年金のスイッチングには手数料はかかりません。

ただし、投資信託商品の中には、「信託財産留保額」(売却時手数料)が設定されているものがあり、その商品を売却してスイッチングする場合、売却のための手数料が発生します。

この点だけは注意が必要です。

例えば、僕は「三菱UFJ<DC>外国株式インデックスファンド」という投資信託を156,350口保有しています。

そしてその評価額は529,729円です。

投資信託(三菱UFJ<DC>外国株式インデックスファンド)

この商品は、信託財産留保額が「売却時1万口につき基準価額の0.1%」と定められています。

これを、保有している156,350口全部、スイッチングする場合にいくらかかるのでしょうか。

時価単価が10,000口当り33,881円なので、次の計算になります。

33,881円×16(156,350口/10,000口の切り上げ)×0.1% = 542.096円

つまり、時価評価額529,729円、評価損益133,729円をスイッチングで利確するための手数料は約542円ということです。

うん、安いですね。

ちょっと不安になってきましたが、この考え方・計算方法で合っているはず・・・。

他の商品の「信託財産留保額」(売却時手数料)がどのくらいに設定されているのかわかりませんが、恐らくこの感じだと、スイッチングの手数料はあまり気にしなくて良さそうです。

確定拠出年金は元本保証型にスイッチングするべきか?

ここまで見て来たように、確定拠出年金で運用益が出ている場合、元本保証型商品にスイッチングすることによって、そこまでの利益を確定させることが出来ます。

ただし、保有している投資信託が今後も右肩上がりに価額を増やしていくとするならば、スイッチングすることによって、将来得られたはずの運用益が貰えなくなってしまいます。

このあたりの判断が、投資の難しいところですね。

それでは、確定拠出年金は元本保証型にスイッチングするべきなのでしょうか?

僕個人としては、確定拠出年金に関して、パッシブ型(インデックス型)の投資信託を購入している場合、50歳までは元本保証型へのスイッチングをする必要がない、と考えています。

というのも、パッシブ型(インデックス型)の投資信託は株式市場に連動して価値が変わるものであり、株式市場というのは、(一時的な暴落はあるものの)右肩上がりだからです。

僕に投資を始めるきっかけを与えてくれた名著、『はじめての人のための3000円投資生活』にはこのように書かれています。

過去の動きを見ると、たとえ暴落しても、やがて市場は回復し、暴落時の影響を吸収したうえで、右肩上がりの成長をしています(2000年ごろからの成長は、かなり鈍くなっていますが)。

ざっくりとではありますが、暴落後、回復してくるまでの期間は、短くて3年、長くて10年ほど見ておく必要があります。

『はじめての人のための3000円投資生活』(横山 光昭)

つまり、途中で大暴落があっても長くて10年で回復し、また右肩上がりの成長を続けていくと言うことです。

したがって、50歳までであれば、仮に暴落しても、確定拠出年金を引き出す60歳までには価額が回復するため、無理にスイッチングする必要がないのです。

もちろん、暴落前にスイッチングして、暴落後にまた同じ投資信託にスイッチングすれば、より大きな利益を出せると思いますが、そんなことが出来る方は一握りだと思います。

僕のような素人は、スイッチングせずに握っておくほうが、勝率が高い気がします。

ただし、60歳が近付いてきたとき、確定拠出年金を受け取る直前で暴落してしまうと悲惨なので、50歳を過ぎた頃、スイッチングで利確することも考え出した方が良い、ということになります。

なお、アクティブ型に関しては、商品(ファンド)によるので何とも言えません。

まとめ

確定拠出年金では、「スイッチング」という方法で、いわゆる「利確」をすることが出来ます。

スイッチングには手数料はかかりませんが、「信託財産留保額」(売却時手数料)が設定されている投資信託を売却する際の手数料が発生する点は注意が必要です。

スイッチングをするべきか否かは人それぞれの考えがありますが、個人的には、パッシブ型(インデックス型)の投資信託を購入する場合には、50歳を過ぎるまでは、無理に利確する必要がないと考えています。

調べてみて、色々とわかったのでよかったです。

僕はやはり、「投資に関してはガチホ」という姿勢で臨みたいと思います。

ひろし

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