こち亀4巻の幻の話『派出所自慢の巻』を読む方法

こち亀(『こちら葛飾区亀有公園前派出所』)の都市伝説をご存知でしょうか。

その都市伝説の内容は、こち亀にはコミックス化を禁じられた幻の話がある、というものです。

その都市伝説についてご紹介しましょう。

「<かきおろし番外編>野球狂の男の巻」 に感じる違和感

こち亀の4巻を読んだ読者の多くは、ある違和感に気付きます。

4巻の最後に「<かきおろし番外編>野球狂の男の巻」という話が収録されているのですが、これがどうもおかしいのです。

その話に登場する1コマを切り出してみましょう。

こち亀4巻「<かきおろし番外編>野球狂の男の巻」の両津勘吉

わかりましたでしょうか…?

参考にこち亀4巻の表紙はこちらです。

そして、同じこち亀4巻の「タレント志願の巻」の両津勘吉がこちらです。

こち亀4巻「タレント志願の巻」の両津勘吉

明らかに両さんの顔が違いますよね。

「野球狂の男の巻」の両さんは少しスタイリッシュに見えます。

そして両さんだけでなく、中川を含めた全体の絵柄が大きく異なっています。

どうも、「野球狂の男の巻」の方は、50巻~70巻ぐらいの洗練されたタッチに見えます。(長期連載漫画に有りがちの通り、こち亀の初期の絵柄は荒々しいです。)

これは一体どういうことなのでしょうか?

こち亀4巻に「<かきおろし番外編>野球狂の男の巻」が掲載されている理由

実はこち亀4巻では、初期に掲載されていた”ある一話”が掲載NGになり、描き下ろした別の話が代わりに掲載されているのです。

そして、掲載を禁止された話とは「派出所自慢の巻という話です。

こち亀4巻の目次を、初期のものと現在のものとで比較してみます。

初期(掲載禁止前)現在(掲載禁止後)
派出所自慢の巻快盗・鶴の007号の巻
部長の悪いクセ…の巻部長の悪いクセ…の巻
快盗・鶴の007号の巻タレント志願の巻
タレント志願の巻お犬様の巻
お犬様の巻あつい一日…の巻
あつい一日…の巻亀有大合唱!?の巻
亀有大合唱!?の巻ガンマン両津!?の巻
ガンマン両津!?の巻みあい狂騒曲の巻
みあい狂騒曲の巻ガッツマン両津の巻
ガッツマン両津の巻 <かきおろし番外編>野球狂の男の巻

ご覧の通り、「派出所自慢の巻」が抜かれて、代わりに「<かきおろし番外編>野球狂の男の巻」で穴埋めされています。

『派出所自慢の巻』が掲載禁止になった理由

「派出所自慢の巻」の掲載が禁止になったのはなぜでしょうか。

「派出所自慢の巻」の内容は、「両津と中川が欠員の出た派出所(水元公園前派出所)に応援に行き、その派出所内で好き勝手暴れて応援先の班長と喧嘩になる」といったものです。

バタバタしているけれど中身がない、初期のこち亀によく見られたパターンです。

こち亀の中では、それ程変わった話ではありませんよね。

ただし、応援に行った派出所とその班長が特殊過ぎました。

旧日本軍(大日本帝国軍)を思わせるような描写が随所に出て来るのです。

派出所に到着して早々、訓練(空中で自転車こぎ)をしていたり、三八式歩兵銃に謝っている班員。

そして旧日本軍司令部を彷彿させるインテリア。

「派出所自慢の巻」の水元公園前派出所

班長(隊長)は制服からして全然違います。

「派出所自慢の巻」の水元公園前派出所班長

そして班長の発言も、かなり過激です。完全に旧日本軍です。

帝国軍人の鉄拳を受けてみよ!
この精神棒でぶちのめしてやる
きさまっそれでも帝国軍人かあ!
神国日本のど根性を見せたろうじゃんか!!

こんなセリフをバンバンとしゃべります。

この程度であればまだ掲載NGにはならなかったのかもしれませんが、極め付きはこちら。

「派出所自慢の巻」の描写

中川が「天皇陛下バンザーイ」と叫びながら、三八式歩兵銃・九九式短小銃を火にくべています。(中川の目がイッちゃってます)

どうもこのあたりの表現が特に不味かったため、掲載禁止に至ったようです。

天皇の侮辱に当たると言った感じでしょうか…。

『派出所自慢の巻』を読む方法

では現在、「派出所自慢の巻」を読む方法はあるのでしょうか?

実はあります。

その方法を2つご紹介しましょう。

方法(1)古本屋で探す

1つ目は、ブックオフ等の古本屋で、「派出所自慢の巻」が掲載されているこち亀4巻を探すという方法です。

頭に入れておきたいのは、「派出所自慢の巻」が掲載されているのは初版本だけではない、ということです。

掲載禁止と言われるとなんとなく、「第二版以降は掲載されていない」と思ってしまいがちですが、「派出所自慢の巻」に関してはそんなことはありません。

事実、僕が持っている「派出所自慢の巻」が掲載されているこち亀4巻には、「1986年12月25日 第49刷発行」と記載されています。(初版は1978年2月28日)

発売してから少なくとも8年以上は掲載されていた話ですので、大きめの古本屋を何件かハシゴすれば、見つけられる可能性は十分にあると考えられます。僕もそうやって見つけました。

しかも古い本なので、大体100円コーナーとかで売っているので、金銭的にもお得です。

方法(2)ネットオークションで購入する

古本屋で探すのが面倒という方は、ネットオークションで購入することをおすすめします。

メルカリやヤフオク!等のネットオークションサイトを覗くと、こち亀4巻を販売している人がちらほらいます。

注意しないといけないのは、「派出所自慢の巻」が掲載されているかどうかです。

中には「派出所自慢の巻、掲載!」のように宣伝している人もいますし、もしわからなかったら質問してみると良いと思います。

派出所自慢の巻が掲載されているこち亀4巻は大体1,000円~2,000円ぐらいが相場となっており、古本屋で買うよりは高いですが、時間と手間を掛けたくない方はこちらの方が手っ取り早いです。

まとめ

こち亀4巻(こちら葛飾区亀有公園前派出所)では、初期に掲載されていた「派出所自慢の巻」という話が、「<かきおろし番外編>野球狂の男の巻」に差し替えられています。

理由は、「派出所自慢の巻」の内容が、旧日本軍を連想させたり、天皇陛下を侮辱していると思わせる内容だったことだと考えられます。

「派出所自慢の巻」を読みたい場合は、掲載されている古本を探して購入する必要があります。

古本屋やネットオークションで探せば手に入れることは可能なので、こち亀ファンでまだ読んだことがない方は、ぜひ購入してみて下さい。

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